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市民医学講座ー非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を寄稿しました。
市民医学講座 NO.113
「非アルコール性脂肪肝炎(NASH(ナッシュ))-新しい生活習慣病-」
近年、新しい生活習慣病、NASH が増加しています。 これは1980年に米国で初めて報告された肝疾患ですが、 ウイルス性肝炎の多い日本では当初あまり注目されま せんでした。しかし、近年の肥満や糖尿病、高脂血症 の増加に伴い、一般にも知られるようになりました。 NASH は非飲酒者にアルコール性肝障害とよく似た症 状を呈し、中年以降の女性に好発し徐々に進行して肝 硬変に至るものです。 簡単に言うと、お酒を飲まなくても太っているだけ で脂肪肝から肝硬変になってしまう患者さんがいると いうことです。かつて放っておいてもよいとされてい た脂肪肝は今、NASH の前段階として扱われます。全 ての脂肪肝が NASH に進行するわけではありません が、NASH になると肝硬変、肝がんへ進行しやすくな るため、その予防が大切です。
女性は閉経後にリスク
脂肪肝は男女ともに多く見られますが、女性は特に 閉経後に NASH に移行するリスクが高まります。 閉経をきっかけに体重増加になる例が多く、また女 性ホルモンの分泌低下や鉄の肝臓への蓄積が起こりや すくなります。肥満で血糖が高い方などは要注意です。
気になる人は、肝機能検査や超音波検査を受けましょう。