道後山の手ホテルにて開催された、愛媛肝臓病セミナーに参加しました。
肝疾患の患者さんでは、皮膚の掻痒症を合併する頻度が多く認められます。 痒みを生じるメカニズムとして、末梢性のものと、中枢性のものがあります。
慢性肝疾患の難治性の痒みは、中枢性の痒みメカニズムが関与していると考えられており、皮膚の病変がなくとも、掻痒感があり、痒い部分を掻いても緩和されないことがあります。また、通常の抗ヒスタミン薬や鎮静剤なども有効でないことがあります。
この中枢性の痒みの原因として、内因性オピオイドの関与が示唆されており、これを抑制することが痒みの沈静化につながってきます。
ナルフラフィンは、このオピオイド受容体に作用する薬で、慢性肝疾患に関与する、皮膚の掻痒症に対する経口薬です。
肝臓疾患の方で、従来の痒みに対する治療が奏功しなかった方は、ご相談ください。