全く新しい機序を用いた新規便秘治療薬についての勉強会を行いました。
エロビキシバットは、胆汁酸の腸肝循環を利用した、新しい機序の便秘薬です。
胆汁酸の再吸収に関わるトランスポーターを阻害することで、大腸に流入する胆汁酸の量を増加させ、水分分泌と大腸運動促進の2つの作用で自然な排便を促します。
胆汁酸は、肝臓でコレステロールから合成される物質です。肝臓で合成された後、胆汁の主成分として胆嚢に蓄えられ、食事に伴って胆嚢から胆管を経て十二指腸へ分泌され、食物脂肪の消化、吸収に関与します。分泌された胆汁酸は腸肝循環により小腸で約95%が再吸収され、門脈を経由して肝臓に戻り再び胆汁中に分泌されます。一方、再吸収されなかった胆汁酸は大腸へ到達します。大腸管腔内で胆汁酸が増加すると、胆汁酸の働きによって大腸管腔内へ水分が分泌され、また消化管運動が促進します。
エロビキシバットによって、胆汁酸再吸収が一定の時間阻害されることによって大腸へ到達する胆汁酸が増加し、大腸管腔内への水分の分泌、消化管運動が促進します。
投与方法は10mgを1日1回食前経口投与であり、用量の適宜増減(最高用量15mg/日)が可能です。
既存の便秘薬でなかなかすっきりしない方は、ご相談ください。